特別企画 難病患者の理解と出産へのトライアル
研究・調査・報告
ベーチェット病を合併した分娩の一事例
村山 ヒサエ
1
,
渡辺 タカ子
1
1新潟大学医学部付属助産婦学校
pp.489-497
発行日 1976年8月25日
Published Date 1976/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205089
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1.はじめに
トルコの眼科医ベーチェットにより1937年に初めて報告されたベーチェット病は,日本および中近東諸国に多い疾患である。
ベーチェット病の原因は,初めはウイルスなどの感染症が考えられていた。しかし,最近は免疫説が有力となっているが,現在のところ不明に近い。症状として眼,口腔,外陰部などの粘膜や皮膚に炎症や潰瘍をつくり,ことに眼においては,失明が高いことで注目され全国25万人の失明者の11〜12%が本症によるものともいわれている。そのほか,結節性紅斑,血管性病変,精神神経症状等の脳や脊髄末梢神経がおかされる。
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