病気のはなし
ベーチェット病
田川 義継
1
1北海道大学医学部眼科学教室
pp.1048-1052
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901338
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サマリー
ベーチェット病は,口腔内アフタ,眼症状,外陰部潰瘍,皮膚症状を主徴とし,ほかに関節症状,神経症状,消化器症状などの症状を示す全身性の炎症性疾患である.炎症の特徴は,発症部位に強い多核白血球の浸潤を伴う血管炎が細静脈を中心にみられ,しかもその炎症が再発性で繰り返し起こることである.本病の眼症状は,特に重篤な場合が多く,失明に至る症例も少なくない.原因は不明であるが,現在レンサ球菌の役割が注目されている.治療法として,コルヒチン内服,ステロイド剤の局所投与などが行われる.難治例にはシクロスポリン投与が行われている.
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