特別寄稿
助産婦学校における地域母子保健実習としての性教育の意義—第2報
唐沢 陽介
1
,
入内島 明美
1
1三楽病院付属助産婦学院
pp.207-214
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205017
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1.はじめに
地域母子保健実習のテーマに性教育を取り上げ,同一地域(都下八丈町)を対象として,先輩から後輩へと,毎年継続的に活動を開始してから7年目が終わった。この間,昭和46年度に本誌上(第25巻・第10号)をかりて当時の状況と筆者らの考えを発表した。以来,4年を経過したので,あらためて7年間を振り返り,いくつかの問題について検討してみたいと思う。
7年間とは長くも短くも感ぜられる歳月であるが,現代の7年は社会を一変させるのに十分な時間をわれわれに与えてくれる。特に性教育のように,活動が開始されて間もない分野にあっては,さらにその感を深くする。十年一昔の諺の何と空ぞらしいことか。ここに報告しようとする事業の7年間もまさにその通りであった。もちろんなかには7年経ってなお旧態依然の感が一層深くなる部分も少なくないが,全体を1つの流れとして捉えた場合,この期間はほとんど無から出発して一応の軌道ができ上るまでに相当するとみなすべきと考えたい。そのような見地から,以下時の経過を追って問題を整理しつつ,われわれの意のあるところを述べて諸賢のご批判を仰ぎたいと思う。
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