特別寄稿
助産婦と性教育(2)
唐沢 陽介
1
,
入内嶋 明美
1
1三楽病院付属助産婦学院
pp.43-47
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204492
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5.離職助産婦の社会的使命
前記のごとく,助産婦が社会へ飛び出して,地域的活動をするとしても,現在,産科臨床の第一線において活躍中の助産婦に,それだけの余力が残されているか否かがまず疑問になろう。たしかに日々施設内の業務に忙殺されている大部分の助産婦は時間的にみてもそれ以上の活動は不可能といったほうが妥当かもしれない。
しかし,地域の助産婦のなかには,仄聞するところある程度の余力を残している者も少なくないようである。そのうえ,彼女らのなかには地域の指導者的立場にある者,いわゆる学識経験者として高い評価を受けている者などが少なくないと考えられる。とくに過疎傾向にあるような地域では,彼女らが唯一最高の指導者である場合もけっして珍しくはないであろう。過疎地に性教育や家族計画のお客さんがあるのかといぶかる人もあるかもしれない。
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