特別寄稿
望ましい助産婦像を求めて—その1
唐沢 陽介
1
,
入内島 明美
1
1三楽病院附属助産婦学院
pp.568-573
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204942
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1.はじめに
助産婦のあるべき姿,助産婦業務のあり方などについてはすでに多くの人びとによって語られ,論ぜられている。しかし,問題は常に未解決のまま残されている。なぜならば,医療の進歩や社会情勢などの変化によって,これらの問題もまた常に考え直されねばならないからである。
周知の通り,助産の歴史は即人類の歴史であり,今後もまたそうであろう。いいかえれば,これらの問題は法的にも,行政的にも,また医療の現実的テーマとしても研究されるべきものである。たしかに臨床医学の進歩は,助産婦に高度の学問的レベルを要求し,これに応えるべく助産婦養成機関として,医療短大の専攻科が各地に設置されるようになった。日本の母性保健は大きな転換期に立っているといわれるが,助産婦をめぐるさまざまな問題は,その渦中にあって解決の糸口すら容易に見い出し得ないでいるともいえよう。
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