ケース・レポート
僻地からの子癇による飛び込み分娩に遭遇して
佐久間 憲子
1
1福島県立会津若松総合病院
pp.638-642
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204960
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1.はじめに
子痛は全分娩数の0.2〜0.24%の発生率で,全妊娠中毒症数の16%に相当するといわれている。晩期妊娠中毒症は早期発見・早期治療と適切な保健指導により改善,予防しうる可能性が大である。助産婦となって1年の間に妊娠子癇2例に遭遇したが,いずれも飛びこみ分娩であり,妊婦の外的環境(特に地理的・対人関係)の悪さ,および自覚の欠除が症状悪化に拍車をかけたと思われる。本事例は急性腎不全となり,人工透析を行なうことにより,産褥25日目に母児ともに軽快退院するに至ったが,その経過を報告する。
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