連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・56
飛び込み出産のリスク
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.1096-1097
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101335
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外来に追われて
クリニックでは,健診を受けていない飛び込み出産が多く,その分リスクは大きい。そのリスク軽減のためにも,観察の大切さを改めて思い知らされたお産があった。
初産婦の名前はルージ。クリニックへ来たのは外来診療中の時間だった。お産の部屋にはすでに8人目の経産婦がいて,外には深刻な外来患者があふれていた。こういう場合はティナが診察して,産婦に付き添う。扉の近くから「どう? 大丈夫?」と声をかけると「いま8cmぐらいだから」と返事が返った。間近になったら呼んでねと伝えて,私は診療を終わらせるのに専念した。
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