ケース・レポート
重症妊娠中毒症の患者と退院後の問題
小泉 尚子
1
,
田中 富美子
1
1川崎市立川崎病院産科病棟
pp.451-456
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204744
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1.はじめに
最近の医療技術の進歩にもかかわらず,重症妊娠中毒症患者は未だ後をたたない。しかし,無知や貧困のために,病院に通うことができないでいる者が,相当数あり,そのことが中毒症の病状を悪化させ,また分娩後の管理にも支障を来たしている例がかなりある。さらに近年の核家族化の傾向が,この事実に拍車をかけているようにも思われる。このような例に対しては,病院における患者の生活指導だけでは十分でなく,ケースワーカー,保健婦その他との密接な協力のもとに,妊娠時および分娩後の一貫した患者管理が必要と考えられる。
そこでわれわれは,病院,保健所,行政機関その他が一貫して行なう,いわゆる地域医療的観点から,どのような問題点があるかを病院サイドから調査してみた。調査内容は,通院,食事,家族計画および健康状況に関したもので郵送によるアンケート形式を採った。
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