ケース・レポート コメント
高年初産婦の症例報告を読んで
藤田 八千代
1
1神奈川県立衛生短大
pp.350-351
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204718
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この症例は確かに高年初産婦である。が,結婚年齢は適齢範囲にあり,ただ妊娠が遅かっただけであるならば,結婚年齢も高年であった高年初産婦よりは,分娩に対する障害条件もいくらか軽いともみられるであろう。しかし結婚後間もなく子宮筋腫の核出術や卵巣嚢腫摘出術を受けている。これが高年初産に加重した分娩障害条件をもつことになる。さらに現在も子宮体部の左右両側に筋腫があるという産婦である。
この場合筋腫のある部位とその大きさが分娩障害の上で大きい要素をもつことになるが,経腟分娩の方針決定があったことから,筋腫の部位は子宮外層の部位であり,大きさもあまり大きいものではなかったと推測する。しかし助産婦が助産計画を立てるうえでは十分予知しておかねばならない重要因子であることはいうまでもない。
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