ケース・カンファレンスに出席して
ケース・カンファレンスと教育効果
村山 郁子
1
1新潟大学医学部付属助産婦学校
pp.60-61
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204583
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看護教育において,教育目標が,どの程度達成されているかを最終的に,しかも的確につかむことは難かしい。外側だけでも,あるいは内側のものばかりでも当を得た評価を得ることが困難であろうし,また改善策への道のりも迂回することが多いと思われる。その点で,このたび,助産婦雑誌編集室より客観的な評価の機会を与えていただいたことは幸いであった。
波多野梗子氏他(看護教育14巻・5号)による「進学課程の教育目標と教育方法の問題点」のなかで,教育目標を達成する上で学生の経験の違いに対応することの困難さが指摘されているが,その点については助産婦教育においても共感する点が多い。具体的にいうならば,当然,学習されていると思っていた事がらについて,全く白紙に近い学生がいたかと思えば,すでに何年かの現場経験を経てきた学生がいたりして,対応にとまどうことがたびたびある。すでに出発点からの違いがあるのに,さらにわずか1か年の間に,その違いを早く発見し,指導計画をたてて,どの学生も一定の水準にまで到達するように指導するのはたいへんに難かしい。学生の可能性を上手に伸ばし,勉強したい気持ちを内発的なモチベーションにまで高めさせることは難かしい。喜こんで自発的にやるのと,そうでないのとでは大差がある。当校においても,毎日が動いている臨床のなかで如何に実習を効果的に展開させるかについては,それぞれの立場で大きな悩みを抱えている。
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