連載 私と読書
勇気ある婦人の一生—「キューリー家の人々」を読んで
鈴木 悦子
1
1国立仙台病院付属高看学院
pp.59
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204582
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母性看護の一部を,学生に講義し,また臨床において,母と子の看護をするとき,自分の未経験の部分を,見聞で補いたいと心がけております。母と子を主体にした本を探してみましたが,思うような本にゆきあたりません。むしろnonfiction的な本の中に,母親の生き生きとした姿が,みうけられるように思います。そういうことでこの本を選んでみました。
キュリー夫人といえば,ご存知ない方は,いらっしゃらないと思います。しかしそれは母親としてのimaginationより,第一流の女流学者としての知名度が高く,夫人の母親の姿は,思い浮かべるのに困難ではないかと思うのです。ここで,述べていくことは,私の卑小な目から見た点に限られますので,夫人の姿を縮少化し,その偉大さを失なってしまうのではないかと,ただただそれを恐れます。ですから,じかに本から感じとっていただけたらと思います。
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