連載 Medical Scope
ヒト胎盤ラクトーゲン(その2)—H. P. L.
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.58
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204581
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前回からのつづきです。ヒト胎盤ラクトーゲン—HPLは母体の脂肪を分解させ,遊離脂肪酸を作り,胎児を発育させる作用をもつ,胎盤で分泌される蛋白であることをお話ししました。
HPLは簡単な測定法ですぐどの位あるか測定することは今の段階ではできません。精製されたHPLを用いて免疫学的にRadioimrnunoasseyという方法で測定されますが,その研究によると,妊娠8週で母体血中に出現し,妊娠16週からどんどん増量しはじめ,32週で最高値に達し,これが40週の分娩まで持続します。そして,分娩時では胎盤娩出後1時間するとHPLは母体血中から急に下降し,8時間後には0になってしまうということです。
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