連載 合併症と妊・産・褥婦
心疾患
大内 広子
1
1東京女子医大産婦人科
pp.42-45
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204550
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1.はじめに
心疾患と妊娠の合併は1〜2%であるが,昼夜休みない心臓の仕事量の増加のため,心臓にかかる負担が大きく,問題をおこしやすい。健全な心臓であれば,心機能の予備力があるので,それを侵すまでには至らないが,心疾患合併妊婦においてはすでに循環系に程度の差こそあれ負荷があるので,心機能のうける影響は強い,ときにはなんら異常なく妊娠・分娩を経過することもあるが,またあるものは妊娠,分娩をきっかけに心疾患の増悪をきたし,また心疾患の病態悪化をみ,母児の生命を危険にさらす場合もある。
心疾患と妊娠・分娩の合併は,心疾患の病態のたどる道程を悪化促進させる要素を含んでいるため,その管理を十分におこなうことが大切である。
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