特集 産婦人科
今日の焦点・Ⅱ
妊娠と心疾患
大内 広子
1
Hiroko Ouchi
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.1041-1046
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
心疾患と妊娠の合併について論ずるには,まず第一に心疾患が,妊娠,出産,育児によつて如何なる影響をうけるであろうか,第二には心疾患の合併は妊娠,分娩の経過および児に異常影響は及ぼさないであろうかが大きなもととなる。
心疾患と妊娠の合併例においても,その心機能にかなりの予備力があれば代償機能不全におちいることなしに無事に経過するが,反対に妊娠をきつかけに心疾患の増悪をみ,また他の合併症を併発し,ときには母体の生命を危険にさらす場合もあり,心疾患合併の妊娠分娩管理はことのほかむずかしい。最近は心疾患にたいする内科的,外科的療法の進歩によりこの疾患と妊娠の合併例は増加している。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.