連載・11
実地臨床における産科MEその11
坂元 正一
1
,
藤井 仁
1
,
井上 毅
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.40-46
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204331
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新生児ビリルビン測定法
妊娠早期における胎児生存を診断するための超音波ドップラ装置の原理,使用法にはじまって,分娩経過中における胎児心拍数と胎児血pHによるfetal distressの診断基準を述べた前号まで,主として胎児の生存の確認と元気さの判断に対する情報獲得を目的として日常産科で私たちが使用しているMEについて説明してきました。 本号では,同じ産科領域の中でも既述の領域と少し異った新生児を対象とした装置など2,3についてお話したいと思います。
血液型不適合妊娠などによる溶血性黄疸はしばしば新生児重症黄疸をおこし処置のいかんによって,核黄疸から脳性小児麻痺に陥入ることも少なくありません。これは新生児の赤血球が体内で溶血破壊され,その代謝産物であるビリルビンが肝臓で十分処理されきれず,全身が間接型ビリルビンで黄染し,ことに神経核の機能はビリルビンがある濃度以上になると永久に失われ,核黄疸の症状を示すようになることはすでに十分ご存知の通りです。そこで,核黄疸を予防するためにはビリルビンの血中濃度を早期に測定し,もし高ければ治療を急がなければなりません。そして,単純承認をした場合には(3カ月の熟慮期間内に放棄や限定承認をしなかった時はすべて単純承認とみなされる)一応相続人たちは(死亡の時から)法定の相続分に従って被相続人の権利と義務を引継いでいたことになるのです。しかし,それだからといって,今後一切法定相続分以外のわけ方をしてはいけないというのではなく,法律は相続人たちの協議さえ整えばいつでも自由に遺産を分割することができると定めました(民法第907条)。
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