連載・7
実地臨床における産科MEその7
坂元 正一
1
,
藤井 仁
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.37-43
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204132
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経腟誘導胎児心電の誘導法
経腟誘導胎児心電図は一極を経腟的に胎児に直接装着するために,胎児から離れた腹壁上に2つの電極を装着する腹壁上誘導にくらべて胎児R波をより大きく把えることができますが,誘導法が双極誘導であるために,他の一極の装着場所のいかんによっては電極装着付近の子宮筋電や母体筋電を拾ってきて,それらに悩まされる場合がおきてきます。
最初に児頭に直接電極を装着して誘導を行なったSchomig(1954年)は他の一極を腹壁上に装着し(児頭〜母体腹壁上誘導),その後も幾入かの研究者が会陰(児頭〜会陰誘導)や母体下腿(児頭〜母体下腿誘導)などを試みていますが,いずれの方法もいきみや体を動かしたりすることによって生ずる電極装着付近の筋肉の活動電流や子宮筋電流を誘導するために,著しい雑音が混入して胎児R波は完全に掩われてしまいます(図1)。
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