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放任主義―一人で生きる人間とは—著者 羽仁 進
川上 重治
pp.66
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204321
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この「放任主義」という言葉な額面通り受取る人は,観念論崇拝者のPTAママや,頑冥な学校長,教頭,教科書会社などの部課長クラスの人たちで,「一人で生きる人間とは」というサブタイトルなどまったく侮蔑して,びっくりして南軽井沢事件を連想するから全く面白いが,〈トサカにくる〉ことである。
いまの教育は,お母さんの思い通りになる子,学校では知識中心の優秀な成績である子,すなおな子,会社では上司のいうままになる社員へと直結されていて,拡大してみるといまの教育は,ほかならぬ人殺し教育ではないかと疑いたくなることがあまりにも多過ぎる。
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