調査・研究報告 研究
過去6年間の高年初産婦について
笠原 ふじの
1
,
忠谷 喜美子
1
,
松山 いとえ
1
,
田治 伴子
1
,
川口 君子
1
,
中村 洋子
1
1福井県立病院
pp.36-38
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204309
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I.はじめに
高年初産婦は従来より軟産道の伸展性が不良のため難産が多く,手術分娩に移行する場合が多いといわれ,高年初産婦を取扱う場合には,妊娠分娩経過の十分な観察が要求される。また妊婦自身も健康な児を望む心と,高年という立場で,精神的にも,大きな負担を自分自身に感じているわけで,高年初産婦を取扱う場合の私たち助産婦は十分な理解と知識をもって妊婦に接しなければならない。高年初産婦の年齢的定義は国際産科婦人科学会の定義委員会(1958)によると35歳以上の初産婦と定義されているが,わが国では従来より30歳以上を高年初産婦として取扱っている病院が多い。このことは初産婦の分娩異常の発生率が何歳ぐらいから高くなるかによって臨床的な意味があり,わが国では従来30歳ぐらいより難産の頻度が高くなっていたためと思われる。私たちは当院において昭和40年からの高年初産婦の妊娠時合併症および分娩時異常などを調査しましたので,その成績を述べるとともに,高年初産婦の取扱いについて考えてみたいと思う。
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