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                                                遠藤 順子
                                            
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.52-55
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1971年10月1日
                  Published Date 1971/10/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204232
                
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宿命的な絆「親と子」
親なくして子は生まれず,また育ちもしません。親と子の関係は,まさに「宿命的」ともいえましょう。結婚にしろ,仕事にしろ,その他の人間関係は所詮つきつめれば契約に基づいているので,必ず,最悪の場合には関係を解消するように予め方策が用意されています。しかし親と子の関係(正確にいうならば実親子の関係)だけは,いかなる理由があろうとも解消できないのです。それだけに親と子のつながりかたは古今東西不変のように観念されがちですが,あにはからんや,ここにも社会制度と民族的風土の違いが如実にあらわれています。
すなわち,原始母系社会において,女性が生産と生殖の2方面から確固たる地位を占めていた頃は,親子といっても,それはもっぱら母と子のつながりでした。父が母子と共同の生活を営まず,それどころか母子の生活圏に入ることを拒絶されることすらあったでしょう。このような場合,子供の父が誰であるかということは,さしたる価値を持たず,男は種族保護のためにやむをえず必要とされる存在であったのかもしれません。

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