連載 海外の産科医療事情
インドの助産婦
唯 正一
1
1唯産婦人科
pp.67
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204297
- 有料閲覧
- 文献概要
国際助産婦連盟の総会が本年10月28日から11月4日まで開催されるのを機会に米助産婦学会誌は各国の助産婦の状況を特集しており,今回はインドの実情を掲載していますので以下主としてRoy Asokaの報告を中心に紹介したいと思います。
1960年,インドの人口は約4億3千万,年間出生率は18.6,出生数は約812万日本の約5倍です。医師,助産婦の立会う出産は都市で90,小さな町70,田舎では20%,施設分娩はそれぞれ80,50,20%以下と推定されています。もちろんその原因が医療の未開にあることは否定できませんが,出産は生理的なものとのヨガの思想にもよると考えられています。田舎では多くの出産が日本の取り上げばあさんに似たDaiとよぶ女性によって取り扱われ,彼女らは先祖代々伝承された方法でお産を行っています。しかし今ではDaiは20歳以上で3年以上実務につき50以上の分娩を扱った経験が望まれており,分娩介助の安全性のための基礎教育を6カ月受けることが事情の許すかぎり要求されています。田舎では今でも後述するように産科医療ティームの不可欠の一員です。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.