MEDICAL SCOPE
新生児高ビリルビン血症に対するフェノバール療法
島田 信宏
1
1北里大学産科
pp.60
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204176
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フェノバールという薬品を助産婦諸君はよく知っていることと思います。けいれんを起こした時などによく使う薬です。最近,このフェノバールが新生児の強い黄疸,いわゆる新生児高ビリルビン血症に大変素晴らしい治療効果が認められ,話題になっています。昨年,ちょっとこの話題にMedical Scopeでもふれましたが,今日はその理論や成績について新たにのべることにします。
先天性に肝臓にある種の酵素がないために,生まれた時からずっと黄疸がつづいているというCrigler-Najjar(クリグラー・ナジャール)症候群という。家族性に発生する黄疸があるのをご存知でしょうか? 学生時代にどこかで聞いたことのある名前のはずです。1966年に,Yaffe博士はこの症例にフェノバールを投与していると,血液中のビリルビン値が下降していくこと,そして黄疸の黄色さも減少していくことを発見しました。
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