母と子の精神衛生
精神薄弱の早期発見について
小坂 英世
1
1東京都精神障害者を守る会
pp.64-65
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203782
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前回,ダウン症候群をとりあげたのは,精神薄弱の早期発見法の1つである,形態面の観察に習熟するための入門版として,しごく適当であろうと考えたからである.
たとえばダウン症候群にみられるような形態異常というものは,染色体異常とか胎生期障害のあらわれの1つである.しかし染色体異常とか胎生期障害というものは,外見にも影響をあたえるであろうが,外には見えない内部—内臓とか脳神経系—にも影響をあたえるものである.したがって,形態異常を発見したときには,脳障害もあるかもしれないという(ない場合もあるが)予測が,いちおう立つわけである.この予測にもとついて,諸種の検査を行なったり,注意深いフォローアップを行なうことによって,先天性の精神薄弱は発見しやすくなる.
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