特別掲載
新方式による乳房マッサージ
森田 正
pp.10-11
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203696
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はじめに
昭和41年の本誌11月号において,高橋政郎医博との共同研究「産褥婦に対する乳房マッサージの効果」を発表し,この中で乳房マッサージは,乳汁の分泌を高め,かつ乳腺炎を予防,また吸いきずや鬱乳の防止にも役立つことを報告した.そして乳房マッサージが,このような効果を発揮できるのは,主に乳管の開通をはかるためであろうという考察と共に,専門の乳房マッサージ師を採用している病院のあることも付記しておいた.その結果乳管の開通に着目した私どものマッサージの術式や,専門マッサージ師の採用条件に関し読者からかなりの問い合わせをいただいた.これに対し昭和42年の本誌11月号において「あなたの施設にも乳房マッサージ師を」と題し,マッサージ師の雇用条件などを紹介した.今回は,私どもの乳房マッサージについて紹介してみたいと思う.
乳房マッサージが,鬱乳に対して吸乳ポンプより優れていることは,すでに尾島信夫氏,加藤裕康氏たちによって,以前から説かれてきた.私も乳房マッサージは乳管の開通を促すことと,他の方法に比べ,最小限の刺激でより完全に搾乳できるところに特徴があると思う.したがって,母乳の分泌障害や,鬱乳の治療,さらには乳腺炎初期における併用療法としても,医療的価値は極めて大きい.
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