特別レポート
産褥婦に対する乳房マッサージの効果
高橋 政郎
1
,
森田 正
2
1岐阜市高橋産婦人科院
2岐阜盲学校理療科
pp.33-35
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203292
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はじめに
母乳栄養は乳児を育てるのに最良であり,母体にとっても産後の回復を早めるのに役立つことは周知のところである.また平山雄氏などの研究によって,乳房の既応症(乳腺炎や外傷)のある婦人,乳をのませなかったり,のます期間が短かかった婦人などには,乳ガンができやすいことも明らかにされている.しかし最近は人工栄養が増加し,これとともに乳腺炎患者も増加の傾向にあることは,まことに残念である.
乳房マッサージは尾島信夫氏らの研究以来,乳汁分泌を円滑にし,かつ乳腺炎予防に役立つとして,産褥婦看護の一法として,助産婦教育にも取入れられ,臨床にも広く応用されてきた.しかし最近は助産婦などの求人難や乳房マッサージの効果に関する認識が不十分なため,軽視されがちである.私たちは産褥婦に対する乳房マッサージの効果につき研究を試み,一応の成績を得たのでここに報告する.
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