特集 母と子の血液型
新生児高ビリルビン血症の交換輸血後のFollow up Study(追跡調査)について
合瀬 徹
1
1淀川キリスト教病院小児科
pp.24-29
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203634
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胎児赤芽球症の治療として交換輸血が1946年に初めて実施されて以来,交換輸血が高ビ血症児に対し適当な時期に行なわれるならば,核黄疸発生を予防するとともに患児を救うことができるということが明らかとなってきた.しかし,どの高さのビリルビン値で交換輸血を行なうべきかはまだ意見の一致を見ていない.さらに,交換輸血の適応となるビリルビン値の決定的評価を行なうためには,交換輸血自身のもつ危険性と高ビ血症児における核黄疸発生の危険との,どちらに重点をおくべきかも検討されねばならない.
なお今まで交換輸血後のFollow up Studyは欧米においてわずかながらすでに行なわれている.しかし,いずれもその総数がやや少なく,観察期間も短かく,しかも特殊なグループ,たとえば未熟児についてのものなどが目立つ程度である.淀川キリスト教病院では,このFollow up Studyは重要かつ緊急な問題であると考え,病院全体の協力のもとでこれに当り,数多くの遠近に住んで居られた患児の家族の方がた,その他患児を紹介下さった諸先生がたのご協力を得て,次のような方法でFollow upを行ない,一応満足すべき結果が与えられたのでここに報告する.
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