特集 全国助産婦学生研究
—群馬大学医学部付属助産婦学校—後期死産の諸因子の検討
遠藤 小枝子
,
金子 キヌ
,
小林 秀代
,
小林 陽子
,
新谷 富子
,
真下 みどり
pp.26-31
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203391
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はじめに
最近,母子衛生に対する関心が高まり,各関係者は早産予防,未熟児出生予防あるいは新生児の保育に格段の努力を払うようになってきた.すなわち,母性および小児の保健対策として予防,早期発見,早期治療あるいは保健指導に力が注がれまた,行政面でも母子保健法が制定され母子の保護が一段と強化されてきている.そしてその対策には綜合的な保健医療活動が必要とされているなかでなお,周産期死亡は改善されていない.年々低下しているものの諸外国と比較すればかなり高い.また,後期死産比をみても,わが国は低率国の2〜3倍にもなっており改善の必要性を感じる.早期新生児死亡については,わが国は低率国と同じ水準にあるが,新生児死亡を死産として届ける場合があることを考慮する必要がある.しかし,後期死産が多いことは,単に届け出問題以外になんらかの原因があるはずであり,医学的因子はもちろんのこと,社会的因子も間接的に影響を及ぼしていることも考えられる.そこで,私たちは周産期をめぐる死亡のうち後期死産を重点にして社会的因子医学的因子を追求し,今後の母子保健およびその管理面に役だたせるべく本調査を行なった.
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