特集 全国助産婦学生研究
—北海道立衛生学院—分娩予定日超過の研究
阿知波 幸子
,
千葉 美智子
,
佐藤 礼子
pp.12-15
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203387
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はじめに
人類の妊娠持続期間については,古くから経験上,平均40週前後といわれ,また,1869年にはネーゲルが最終月経を起点として概算し,今日に至るまでの多数の研究により,ネーゲル法による予定日当日に分娩する症例は,きわめて少なく,分娩の80%は,予定日前後の2週間以内に起こるといわれる.分娩予定日超過とは,種々の統計の差はあるが,妊娠43週以後を指していることが多く,また,予定日超過が重要であるのは,正期産に比べ,各種の影響が母児におよぶことが述べられており,特に胎児死亡,胎児仮死,分娩の困難化などが従来からも重視されている.この原因として,一つには児の過熟,他は胎盤機能の低下による二つの因子が考えられるとされている.
予定日超過に対する研究は種々行なわれているが,札幌医大病院における過去3年間の予定日超過は,なん例あったのか,また,その症例の経過新生児の状態などをみ,また,それに対する対策はいかになされてきたのかを統計的にまとめてみたいと思う.
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