研究
クレーデ氏新生児膿漏眼予防法の実施現況について—第1部資料の報告
村山 郁子
1
,
池野 輝子
1
,
伊藤 薫
1
,
小倉 和子
1
,
岡村 正子
1
,
小川 ミドリ
1
,
川村 茂子
1
,
佐藤 侑子
1
,
神保 敦子
1
,
奈良 百合子
1
,
星野 三枝
1
,
星野 知子
1
,
松永 美和
1
,
丸山 久子
1
,
宮本 津洋子
1
,
本山 良子
1
,
山崎 ミネ
1
,
良田 ケイ子
1
,
鷲沢 愛子
1
1新潟大学医学部付属助産婦学校
pp.49-54
発行日 1966年8月1日
Published Date 1966/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203249
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
クレーデ氏新生児膿漏眼予防法の実施現況については,1957年(昭和32年)南熊太教授(久留米大学)が野中栄次氏とともに行なった調査報告があるが(日本眼科全書第12巻昭和34年4月20目発行522頁),実際にクレーデ氏点眼法を行なっている助産婦による調査報告が見あたらない.ちょうど本院眼科教室より,この種の調査文献を求められたので,学生の共同研究としてこれを取りあげ,現況を調査し,その資料をまとめることにした.
クレーデ氏が,膿漏眼の予防法として,硝酸銀点眼法を創始したのは今から約80年前の1883年(明治16年)であるが,今日なお広く行なわれている.しかし医学ならびに薬理学の進歩はめざましく,この80余年の伝統を誇るクレーデ氏法も硝酸銀によっておこる,と思われる副作用を嫌って,これに代わる新しい方法におきかえられるべきであるという主張も少なくない.宮尾重人氏は「新潟医学会雑誌」(昭和30年3月発行)において,抗生物質に代えるべきだという意見が有力であるが,いずれの抗生物質を使用すべきかに関しては未だ定説がないとして,抗生物質の各種使用についてその文献のまとめを紹介している.ペニシリンの出現によりわが国の性病も一時減少したが,近時ふたたび上昇の傾向であることは周知のとおりであり,助産婦が新生児の膿漏眼予防法についてみずからの手で調査することも時代の助産婦として当然のことといえよう.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.