調査レポート
弛緩性出血を予測し早期処置を行なうための調査
金崎 玉恵
1
,
吉村 利恵
1
1大阪赤十字病院
pp.49-51
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203233
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はじめに
分娩終了後直ちにまたは数時間内に,子宮収縮が完全でないために胎盤付着部の断裂した血管および子宮静脈潤からの,多量出血をきたすものを弛緩性出血といっている.この弛緩性出血は,分娩に合併する重大な危険症状の一つであり,出血に対する抵抗力は,各人で大差がある.分娩時出血が1,000ccに達しても,なんら変化を現わさないもの,500ccですでに貧血症状を呈するものもあるが,日本婦人では,2,000cc以上の出血に耐えるものは少ないとされている.貧血を起こした結果は,産褥の回復が遅れ,また細菌感染に対する抵抗力が減じ,乳汁分泌不良をきたすなど直接死亡しなくても予後ははなはだよくないと述べられている.
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