わたしの分娩
やさしい心使いに不安は消える
棟田 俊子
1
1日赤中央病院杉の子保育室
pp.42-43
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203095
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再々の中毒症に苦しむ
6月のはじめから身体がだるく,タバコの臭いがするとガマンのできない日が続きはじめた.病院内の保育室に勤務している私には,よその赤ちゃんのことでいつも頭がいっぱい,自分の子どもが生まれることなど想像もしていなかった.しかし,つわりという症状の中で,母親になれるという自覚は,苦しみから喜びに変わってきた.
出産予定日は1月22日,「さァあと7か月だ.立派な赤ちゃんを生まなくては」と思うといっそうファイトが出てきた.5か月ごろにはつわりもおさまり,保健婦さんの指導で"寿"の印をおした腹帯をしめ,家に帰ってからも何度も練習をしてみた.回を重ねるたびに上手になり,なんということはなしに顔がほころび"幸せいっぱい"の気持だった.
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