わたしの分娩
強い母親としての自覚
中瀬 康子
1
1日赤中央病院産科
pp.42-43
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203059
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10か月つづいたつわり
産科病室の勤務をしているころ,結婚後6か月で妊娠と診断され,日に日に胎動を感じ将来をたのしみにしていた.夜勤で夜中にお産が始まりかけると分娩室まで妊婦を車にのせ,一人で廊下の坂を昇り連れ出したときは,明け方の冷え込みもあって,腹部の緊張を覚えたりした.お産の人たちのなみなみならぬ大変さをみて妊婦たちとお互いに励まし合ったこともあった.思ったよりつわりが強く長びいた.深夜勤をして夜明けごろになると特に空腹で気分がわるく,分娩室勤務ではしめ切ったあたたかい室内の血液の匂いなどに刺激され,何度か嘔吐した.
第2児の時はお腹にいつも一定量入れておけばもっと楽に過せることを経験したので,できるだけ食べるように努力した.2回の妊娠とも10か月間つわりが続いた.こういう人はマレにいるとは聞いていたが,私もその人だったのだ.1日5〜6回も嘔吐があり,連日胃の重苦しい状態が続いた.
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