母性保健特集講座 分娩の異常
分娩前後の救急処置—ことに開業助産婦のために
竹内 繁喜
1
1築地産院
pp.26-30
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202771
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はじめに
一昔前のように,一生涯に5回も6回も分娩する時代だと,難産の場合,母親さえ無事なら児に万一のことがあっても,それほど問題にはならなかったが,近ごろのように家族計画が普及して,出産数が2回とか3回とかに限られてくると,せっかく妊娠したからには,ぜひとも丈夫な児を生みたいということになる.その結果,どんな難産の場合でも,何とか母児ともに助かるようにと願う傾向になってきたので,それだけ開業助産婦の気苦労も並みたいていでなくなったことと思われる.
なお,都会地では,助産婦が助産所分娩または自宅分娩で異常に出会っても,すぐ専門医の来診が求められるが,へき地では——医師の普及した現在でも——これはなかなか困難のように思われる.
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