わたしの分娩
陣痛と努責が交錯する中で—私の分娩日記帳より
田村 昭子
1
1東京警察病院高等看護学院
pp.42-43
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202735
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11月8日金くもり
予定でいけば,きょうは赤ちゃん誕生の日である.だが,すっかり落ち着いた赤ちゃんは,ゆったりとしたあたたかいおなかから出ようともしない(切迫早産で9か月の時入院).できるだけ動けばよいというので,畑の草をむしる.もうじきお兄ちゃんになる幸稔君と遊ぶ.雑布もふだんよりていねいにかける.ゆらゆら揺れるおなかの赤ちゃんは,日ごろ満員電車で訓練されているので,ビクともしない.
主人がいつもより早く帰宅"おいどうだ""まだか"早く帰るのでなかったというような顔をしてどっかとすわり,新聞をひろげた.
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