母性保健特集講座 妊娠時の異常
妊産婦に対する公的施策の現状
津野 清男
1
1母子愛育会付属愛育病院産婦人科
pp.19-22
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202658
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■はじめに
かつての妊娠や分娩は個々の家庭または個人個人の出来事であった.そして現今でもその本質そのものは昔と変わってはいない.
しかしながら社会事情の変遷に伴って,さらに広い見地からこれを公共的に取り扱い,母子の健全をはかって住民の福祉を増進しようとする考えかたが行なわれるようになった.すでに英米をはじめ欧洲の諸国では地域管理的なプログラムを着々と充実させ,他の国にも程度の差こそあれかかる概念を取り上げる趨勢になっている.そして進歩した産科学の知見や経験が公衆衛生的に運用され,公的施策となって社会機構の一環となり,進歩した学問の恩恵が直ちに大衆につながるようになってきた.
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