交見室
前立腺がん検診を公的施策に
勝岡 洋治
1
1大阪医科大学泌尿器科
pp.897
発行日 2004年10月20日
Published Date 2004/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100632
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本年2月27日,および3月13日の新聞記事によれば,乳がん検診のあり方などを見直す厚生労働省の「がん検診に関する検討会」は乳房X線撮影(マンモグラフィー)と視触診の併用検診について,対象年齢を現在の「50歳以上」から「40歳以上」へ引き下げることを決め,同省は市町村に4月からの実施を求めていること,また,現在30歳以上が対象の子宮頸がん検診は20歳以上に引き下げることが決定された。その後,同検討会は視触診単独の検診を継続する方針だった30代の乳がん検診を,一転して廃止することを決めた。
一方,前立腺がん検診については,昨年11月に,「集団検診におけるPSA検査の見直し」との新聞報道がされた。記事の骨子は,「市町村が実施する公的検診で死亡率の減少効果が確認されていない前立腺がんに対するPSA検査などの検診が増えている」というものであった。しかし,この報道内容はPSAによる前立腺がん検診が無効であるとの印象を与えかねないばかりでなく,多くの泌尿器科医の共通認識と甚だ異なる。
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