特集 社会保障と公衆衛生の接点をさぐる
ろんそう
社会保障・公衆衛生相互の問題点
疾病と公的扶助の関係から
塚本 哲
1
1東洋大学文学部社会学教室
pp.375-377
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203276
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"社会保障制度とは"というとき,よく参考にされるのは,1944年に発足した社会保障制度審議会が,翌1950年10月に政府に提出した「社会保障制度に関する勧告」である。この勧告は,憲法25条を制度化することをねらいとしたものとして評価されているが,ここでは社会保障制度の内容として,社会保険,国家扶助,公衆衛生および社会福祉をあげている。
これによると,公衆衛生とは社会保障制度の一部門である,と考えられないことはない。しかし,少なくとも社会保障を国家の制度として生活保全にかかわるものとする観点にたてば,第1に社会保険を,第2に社会扶助を中心とし,公衆衛生,社会福祉(社会福祉那業と理解される)は,それらの関連制度といえよう。ILOによる社会保障の構想にまつまでもなく,社会保障はすべての社会的危機について,国民一人一人の生活と医療を保障することでなければならない。
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