妊産婦の生理から・Ⅰ
妊娠,分娩時の呼吸(肺換気能)について
森 武史
1
1京都府立医科大学伏見分院産婦人科
pp.28-32
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202120
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Ⅰ.はじめに
胎児娩出期になると,産婦は自然に「いきむ」ようになり,陣痛発作時には息を止め(無呼吸),間歇期には「はあ」「はあ」と,荒々しい息づかいをする(過呼吸),著者はこのような状態に接するとき,「これは,短距離陸上選手が,100m疾走後に荒々しい息づかいをしているのと,同じでないか」「分娩という仕事量は100mを何秒位で走ることに相当する」
「分娩という仕事量を数的に表わすことが出来るなら,分娩前にこれと同じ量の仕事を行わせ,妊婦が耐え得るかどうか判定することが出来るわけであり,心肺機能の悪い人に分娩を行わせるか,中絶させるかを判定するのに役立つのでないか」等考えている.
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