綜説 小児科から
新生児死亡—生前の症状と死後の所見
馬場 一雄
1
1東京大学医学部小児科学教室
pp.10-15
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202014
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今から40年前には,出生1000に対して70もあつた新生児の死亡が,昨今ではその1/3以下の僅か20まで減少したことには,生活水準の向上や衛生知識の普及も関係があろうが,主として産科医や助産婦の努力の賜であることは殆んど疑う余地がない.然しながら,これ以上たとえ僅かでも新生児死亡を減らすことが出来ないか,殊に,胎児死亡の中に陰蔽されている新生児死亡をもう一息減少させることが出来ないかを反省して見ることは,医療にたずさわる者の務めであると考える.
そこで,以下,新生児の死因,死因となつた新生児疾患と関係の深い妊娠,分娩の異常,死因と死亡日との関係,死因となることの多い疾患の症状などについて,小児科医の立場から概説して見たいと思う.
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