昨日の患者
生前葬に臨んで
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.455
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211141
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少子高齢社会となり,様々な形式の葬儀が行われつつある.しかしいまだ世間体を気にし,葬儀社から勧められるがまま従来のしきたりで葬儀を行うことが多いなか,元患者さんから生前葬への招待状をいただいた.
80歳代前半のSさんは,3年ほど前に直腸癌で手術を行った.手術時には既にリンパ節や肝臓にも転移しており,姑息的直腸切除に終わった.術後に癌化学療法を行ったが,肺転移も生じた.Sさんは病状の進行を淡々と受け止め,生前葬の開催を思い立った.
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