未熟児についての意見
未熟児あれこれ
青柳 かくい
1
1青柳助産院
pp.6-8
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201915
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御存知の通り昨春未熟児の取扱い方が児童福祉法によつて規定されました.即ち,2500g以下のものは出生地の所轄保健所に届け出る事,1800g以下のものには医療給付が受けられ,指定病院から直ちに移送用保育器をもつて迎えに来てくれるなど,いろいろな面で恩恵を浴する事になりました.而し,実際問題となると施設の不足とか,出生場所より遠過ぎるなど,幾多の残された問題があります.そこで私共助産婦はそれ迄の手当が必要となりますので,常に正しい知識を持つていなければならないと思います.余談ではありますが私共は戦後に育成した未熟児の中から苦心した児のお母さん方10数人で未熟児の会を作り,その後の発育について話し合つたり,また日赤の久滋博士を訪れ未熟児の成育振りを御覧に入れた事もありました.本誌31年8月未熟児特集号に保育経験例を発表いたしましたが,今回は未熟児の看護事例と,その際痛感した2〜3の点について述べてみたいと存じます.
事例(1)産婦32歳,2回経産,人工妊娠中絶1回,普段は健康で特別な疾患はなかつた.児の姉は7歳で健康.
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