随筆
愛育村臨地訓練の感想
奥村 かづゑ
pp.53-55
発行日 1959年8月1日
Published Date 1959/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201742
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愛知県開業助産婦より厚生省の母子衛生技術者講習を45日間受けてまいりました.山梨県白根町愛育村臨地訓練に行きました.その当時の私の見た愛育村の感想を述べたいと思います.山梨県へ行く2日程前に全国の愛育村白根町の御説明を広瀬先生と中原先生より受け,略々知ることが出来たので一層興味深く感じられ,臨地訓練を楽しみに待つて居りました.8月28日愛育病院の内藤所長先生始め医師4名,引率者講習者合せて全員31名山梨県愛育村へ出発することになり,新宿駅午前7時30分集合,先生方始め通勤の講習者全員規定の列車に間に合うことが出来,午前10時47分甲府駅着駅付近は葡萄畑が果しなく続いて丁度葡萄の真盛りの時期でしたので,お土産の店もあちこち客を呼ぶ賑やかな風景でした.甲府駅には白根町の中心人物主事飯野源裕さんと県の清水保健婦さんのお出迎えで先生方は私共より一足先に自動車にて旅館に向われ,私共は加藤先生に引率して戴き,峡西電車に30分程ゆられ,途中リンゴ,桃,梨の木,葡萄畑でりんごの木を始めて見ましたので大変珍らしく,付近の方は養蚕と果樹園を家業にしていられるそうでした.飯野駅下車して5分程徒歩,角屋旅館に着,昼食後休む暇なく炎天下の道を40分程徒歩,田舎道ですので大変歩きにくくて,先生に前もつて云われた通りズツク靴でなければいけなかつたことを後悔致しました.
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