今月の言葉
「看護の心」は進歩しているだろうか
街風 喜雄
1
1関東逓信病院産婦人科
pp.9
発行日 1959年7月1日
Published Date 1959/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201707
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或る日,遷延分娩についての論文を読んだが,本題とは別に「看護」ということが,母児の運命を大きく左右することをみたのであつた.
それは米国の或る大学病院で最近10年間の分娩約2万1千例につき,分娩が遷延したものを観察したもので,初産婦では24〜30時間或はそれ以上を,経産婦では18時間以上かかつたものを遷延例としていた.優秀な成績に感嘆したが,ここで興味のあつたことは,私的の特別患者と一般患者の比較であつた.この両者とも10年間の分娩数は略同数であつた.遷延分娩に就ては,前半の5年間では一般患者で6.0%,特別患者では3.7%に見られ,後半の5年間では一般患者で4.5%,特別患者で1.3%に見られた.
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