特集 基準看護を点検する
医療の進歩と基準看護
美濃部 嶢
1
1中央鉄道病院麻酔科
pp.31-35
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204206
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現代における医療の進歩は,個々の疾患に対する治療方法や薬剤の発達によるのではなく,むしろ重要臓器の移植や,腎不全に対する血液透析,呼吸不全に対して長期人工呼吸管理などが行なえるようになったのは,それぞれの医学の専門分野での研究成果の総合として,このような場合でも患者の全身状態の管理が可能となったためであり,このことに最大の進歩を見いだすことができる.
この医学の進歩を実際に反映するためには,看護面の協力が必要なことはいうまでもないが,現在の看護,特に一般に行なわれている看護制度である‘基準看護’については,WHOの第1回看護専門委員会の報告書にある‘医学が高度に進歩し,一方,看護はそうではないという状態の国々では,国民の健康状態は,そのすばらしく進んだ医学の水準を反映していない’ということばの‘国々’のなかには,日本も不幸にして含まれているようである.
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