今月の言葉
奇形児への関心を
S
pp.9
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201344
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奇形といえば遺伝と片付けてしまう時代はすぎた.勿論,奇形の原因の一部に遺伝が考えられることは当然であり,遺伝が奇形の重要な原因であることも確である.しかし,遺伝によらないさまざまの奇形が存在することが段々判つて来た.その原因として妊娠初期のビールス性の疾患がまずあげられる.これはオーストラリアの医師が,風疹にかかつた母からうまれた子に,奇形が多いことを報告したのがきつかけであり,奇形の原因について大きい分野がひらけた.近頃のようにインフルエンザが流行するとその危険も多いはずである.
奇形の次の原因として栄養不良がある.妊娠のある時期に葉酸などの栄養素が欠乏すると奇形児がうまれる事はネズミなどで証明され,又物好きな外国のある医師が自分の妻君に試みて奇形死産児を計画通りうんだという話もある.
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