書評
藤井克徳(著)「見えないけれど観えるもの」
藤谷 順子
1
1国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
pp.694
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102140
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実に魅力的な題である.著者の藤井克徳氏は,自らの視力を踏まえて「見えないけれど」と謙遜しておられるが,「見えても観えていない」者としては,どうすれば観えるようになるのか,知りたくてついつい手にしてしまう.
藤井氏は,現在きょうされん常務理事,日本障害者協議会常務理事,日本障害フォーラム幹事会議長などをなさっておられる日本の障害者運動のリーダーのお一人である.本書では,都立小平養護学校教諭時代に学校外での障害者の生活の諸問題を調査し,もっとも要望の強かった「働きたい」というニーズに応えるために作業所を作り,そして専従するようになられた経緯,その後のさまざまな運動の諸断面が,1990年代半ばから2000年代初頭の,主にきょうされんの月刊広報誌のコラム欄原稿を中心にまとめられている.
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