今月の言葉
助産婦学研究の発展と限界
S
pp.5
発行日 1956年8月1日
Published Date 1956/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201096
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戦後助産婦の社会的地位は向上し,産科医師と対等の立場にある如き観を呈するに至つた.勿論,人としてすべての者は平等であるべきであり,それは当然なことというべきである.敢て助産婦のみならず,看護婦も又医師と職務上対等の立場にあり,医師は治療に,看護婦は看護に対して責任を分ち合うものであると解する者も多くなつた.人として対等平等であるべきであるという原則は当然であるが,しかし,職務上責任分割の立前はいろいろの問題をおこして来る可能性がある.しかし,今はここでこの問題には触れたくない.吾々がここで注意しておきたいのは人格の平等対等と,職務の背景となつている学問の研究のそれとは一応切り離して考えるべきであるという点である.
助産婦活動の背景は産科学を主とする医学である.勿論それは助産婦学という名で呼んでも宜しかろうが,医学の一分野に属するべきものであるということは否定し得られまい.
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