講座
乳癌と乳腺症の早期発見について
藤森 正雄
,
腰塚 浩
pp.17-21
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200928
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増加の傾向にある乳癌
1)マイシン,ペニシリンによって代表される抗生物質の出現によって,一般の死亡率は低下し,平均寿命の延長にともない,脳出血,癌等の死亡率の順位は上位となり,特に癌のそれは最近では第2位に躍進しています.
乳癌は長与博士の統計によると,婦人の癌腫中子宮,胃に次いで多く男女合せても胃,子宮,直腸に次いで見られます.最近の年間乳癌死亡数は約2000人,患者数は約10,000人と推定されています.乳癌は古来日本よりも英,米に多いと云われており英国においては婦人の癌中第1位を占め,約20%に当り,しかも年々増加の傾向にあるといわれているが,東邦においても決して少くなく,漸増の傾向にあることが統計的にも知られています.
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