今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
疫学と発生
5.乳腺症と乳癌の関係
寺本 勝寛
1
1山梨県立中央病院産婦人科
pp.360-365
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904295
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はじめに
婦人科医にとって乳腺疾患,特に乳腺症(mas—topathy,fibrocystic disease)は,妊娠・分娩・産褥時に乳房に接する時に稀に遭遇することはあるが,一般外来で診断し治療することは少ない.しかし,外科領域で乳癌を専門としている乳腺専門医の場合,日常外来で遭遇する疾患の30〜50%にあたり,最も頻度が高い疾患で,今後,婦人科医が乳癌検診をするにあたり乳腺症を正しく理解し診断することは極めて大切である.また,乳癌検診が広く行われるようになった現在,臨床的な乳腺症の定義や診断基準が不明瞭な点が問題であり,安易に乳腺症と診断され受診者に不安を与えているとの指摘がある.このような点を考慮し,乳癌検診を行う際に婦人科医にとって必要な乳腺症の知識を特に乳癌との関係について解説したい.
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