講座
近代産科学の歩み(1)
大島 正雄
1
1母性科学研究所
pp.26-28
発行日 1955年3月1日
Published Date 1955/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200806
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Ⅰ.はじめの言葉
産科学に従事して,毎日殆んど同じことを繰返している樣に見えても,それが10年,20年と重なれば,やはり大きい歩みを示している.妊娠の経過に於いて,,血圧や尿の検査をすることは今日何でもない,当然のことになつているが,それでも無関心に近い時代もあつたのである.それが日常の当然採るべき順序と決まる迄には,先人の云い知れぬ苦心や研究がどれ程集積されているか分らない.
近代産科学の歩みを静かに振り返ることは,現代に生きる我々もまた將来の発展に役立つ礎石の一つになるの責任を感じると共に,輝かしい將来への歡びと期待を新にする.
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