講座
体液循環
西丸 和義
1
1広島大学
pp.14-18
発行日 1954年10月1日
Published Date 1954/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200703
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1.緒言
体液循環については,ヒポクラテス(約2350年前)の時代には体液に血液(心臟),粘液(腦),黄胆汁(肝),黒胆汁(脾)とあつて流れるという考えは明らかでなかつたようであるが,エラヂストラタス(約2200年前)の時代から,体液とは血液とプネウマ(精気)とであつて,これが血管系と神経系とを流れるという考えに変つた.
それがハーベー(1628年)の時代になつて,体液は血液であつて心臟から心臟へ血管を循環すると考えられて,循環という概念が生れた.バルトリン(1652念)等によつてこれにリンパ液の流れがつけ加えられた.
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